大塚芳男さんに執行猶予。難病長男を支えた父と家族の悲しい結末スタージ・ウェーバー症候群とは?

ディズニーランドのあることで知られる千葉県浦安市で会社員の男性(38)が亡くなった事件で、父親の大塚芳男被告(64)に対する裁判が行われました。

私事ですが、私あーしゃんママも子供時代を浦安で過ごしました。そして息子さんと年齢も近いことからもしかしたらどこかですれ違っていたのでは・・・とこのニュース、他人事とは思えませんでした。

なぜこのような悲劇が起きてしまったのでしょうか。

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事件の経緯

発生時期不明
「明日は雨だから仕事に行かない」
そんな長男の一言が事の発端でした。

重度の障害により、左半身の麻痺と言語障害などがあった長男は、雨だと電動車いすが使えないことから天気予報を見て不機嫌になりました。
障害の影響もあってか一度決めたことをなかなか譲らないところがあったそうです。

年は38歳ですが、就職をしたのは最近のことだったのでしょうか?
せっかく社会人になって勤めを始めた息子を諭すつもりで根気強く話をしていた父親は、突然左こめかみを2発殴られました。

息子からの初めての暴力。驚くと共に「母親にも同じ事をするのでは」—。「人が叩いたらこのぐらい痛いのだぞ」。同じ場所を2回たたいた。  千葉日報

その後はお父さんが職場まで送っていくことで納得。
翌朝もにこやかに好物の納豆を食べていたそうです。

ところが容体が急変。
仕事を休ませ、昼過ぎに部屋で休む長男の様子を見に行くと声をかけても反応がありません。

慌ててかかりつけの病院に救急搬送すると、CT検査で脳が腫れていることを確認。
緊急手術が必要でしたが、あいにく同病院には手術室に空きがなく市内の別の病院へ搬送。
手術が執り行われましたが甲斐なく亡くなりました。

その日はちょうど長男の38歳の誕生日の3日後でした。

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大塚家の家族構成とその生活

このニュースで明らかにされている情報には「父親」である大塚芳男さん、「母親」と亡くなった長男のことしか出てきませんが、息子の表記が「長男」であるところを見ると他に弟か妹、姉がいるのでしょう。

通常の事件とは質が異なるだけに必要以上のプライバシーが公開されないことに配慮されているように感じます。

一家は、長男の障害にもめげず、健常者と同じ経験をさせてあげたいと海外旅行や様々なアウトドアに出かけたそうです。自宅にはエレベータも設置していたとのこと。

かなり生活に余裕のあるご家庭ではあったことは間違いないですね。

良い病院があると聞けば遠くても通い、障害者の集まりには家族で積極的に参加した。知人によると、いつも車いすを後ろから押すなど、大塚被告がかいがいしくサポートしている姿が印象的だったという。

 障害者への社会的配慮が進んでいなかった当時、市内の幼稚園には受け入れを拒否され、都内の幼稚園に通わせたことも。妻は当初は長男を外に出すことに抵抗を感じていたが、近所の住民へ積極的に存在を知ってもらうことにした。  千葉日報

そんな父親に対する長男の信頼は厚く、福祉作業所の職員にも父親の自慢話をしていたとのことです。

スタージ・ウェーバー症候群とは?

今回初めて聞いた難病「スクージ・ウェーバー症候群」
難病認定されたのは2015年と最近のことだそうで、およそ10万人に1人の血管の病です。

症状としては、てんかん、半身の麻痺、顔面のあざ(ワイン色の赤あざ)、緑内障など。
血管腫ができるのでそれによる運動神経のあっぱくなどにより諸症状が出るのでしょうね。

あざが無い方の半身に麻痺の症状
あざの有る方に緑内障の症状

が見られるそうです。
生命予後については、悪く無いとのことで、命に関わる病ではありません。

昨年NTVで特集されたこちらの番組も参考になるでしょう。
NNNドキュメント「あざと生きる~雅治君と「血管」難病の12年~」

誰にでも起こりうる悲劇

知的障害者の家族会「手をつなぐ親の会浦安」(会員数70人)の川口英樹会長は
「私が同じ立場だったら同じ事をしていたかもしれない。誰にでもこうなる可能性があった」と語っています。そのうえで以下のように提言されました。

「二度とこのようなことを起こさないために、同じ境遇の家族同士で、家庭内や日常で『こういう時にどう対応したのか』など知恵を出しあう場や、医師など専門家のアドバイスを受ける機会が増えたら良いのでは」  千葉日報

幸い、大塚芳男さんには3年の執行猶予がつきました。
今後は、息子さんの残してくれた同会の活動に生涯を捧げるとのことです。

私も同じ浦安という土地に生きていたものとして、地域でも何か支えられることがないか考える機会としたいと思います。

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